Franco Minucci

クラシコイタリアを代表する希代のウェルドレッサー

TIEYOURTIE=Franco Minucciと言っても過言ではないブランドの根幹にある人物、全ては彼から始まった。

イタリア、フィレンツェにTIEYOURTIEのお店をオープンしたのが、1984年、50才の時。

それまでは、映画の配給、アパレルの営業と職業を変えながら自分の美学を磨いていた。くしくもクラシコイタリア協会発足の前々年にお店をオープンしたことは彼のトレンドを先読みする嗅覚の鋭さと認めざる得ない。

 お店をオープンしてからは、世界中のファッショニスタから認められるのに時間はそうかからなかった。彼の美学に基づいた商品のセレクト、ウィンドウディスプレイ、店舗に漂うポプリの香り、彼のスタイリングによる接客に誰もが魅了された。間もなく'ピッティの羅針盤’とまで呼ばれるようになる。

また、気遣い、所作のエピソードは枚挙にいとまがない。同席する女性への心遣いで、ディナーの前にセッテピエゲタイを外し、ジャケットの胸ポケットに挿したとか、彼一流のエレガンスと言えよう。

 フランコが世に広めたブランドも数知れず、Rotaの2プリーツ、ベルトレスのフィレンツェモデルは有名である。小剣を大剣より長くして、手前に少しずらしネクタイをしめるのも真似する沢山のフォロワーを生んだ。